少女漫画

本屋さんに寄って、
ほんとは劇団ひとりの『陰日向に咲く』を買おうと思ったんだけど
その前に前から読んでみたかった本で目についたのがあったので
その本を買ってみた。


島本理生の『ナラタージュ』。


主人公の女の子は高校の先生がずっと好きで、
その思いは大学生になった今でも変わらない。
でもその思いを素直に伝えることはできなくて、
先生のほうもいろんな事情で自分のきもちを抑えちゃってて。
そんなきもちを持ちつつも主人公はある男の子とつきあうようになって
それはそれで幸せだったんだけど
やっぱり自分の本当のきもちに嘘がつけなくて…


ってかんじの話。
おもしろかった!
徹夜して読みきっちゃったよ。
涙も流したし、
変なホルモンもぶわっと出たねw


なんかねー、上質の少女漫画なんです。
文章読むときって、頭の中にある程度映像思い浮かべたりすると思うんだけど、
この作品の場合は頭の中に浮かぶ絵が少女漫画だったw
けど、ほんとの少女漫画よりずっと繊細で彩りがある。


少女漫画の読み方には2つあると思って、
1つは『こんな恋愛したいなあ』という憧れをもって読むのと、
もう1つは『こんな恋愛してたなあ』という回顧をもって読むの。
ナラタージュ』の場合はこの2つめの感覚を刺激される。
ふつうの少女漫画よりも。
なぜって、島本さんの、登場人物のきもちの描写がみずみずしくてうまい。
だって島本さん22才だもーん。そりゃー真実味もあるよね。
それから、文字だけのほうが自分の思い出に照らし合わせやすいんだよね。
漫画みたいに絵が決まってるとそれ以上の発展があまり見込めなくて。


そう、『ナラタージュ』は、小説と漫画のあいのこみたいなかんじなんです。
せつなかったです。
痛かったです。
どうしようもなくつらくもあります。
けど優しくもあって
希望に満ちてもいます。


ちょうど私たちの年代の女の子に読んでほしいなあ。
過去の恋愛に関するみずみずしいきもちがよみがえります。
なんか次の日の朝とかキレイになってた気がします。
変なホルモンのせいだ、絶対w


ナラタージュ』が良かったんで
島本理生の『シルエット』と『リトル・バイ・リトル』も買いました。
『シルエット』はすでに読みました。
あれは島本さんが18才のときに出された作品で
なかなか透明感があってよかったんだけど、
ナラタージュ』と比べると「あ〜成長してるな〜」というかんじ。
人生経験も積んだだろうし、恋愛経験も積んだんだろうし、
文の書き方も抜群によくなってます。
これが、若い作家の魅力かもねー。


ああ、島崎藤村も平行して読んでるんだけど、
こんなだから最近中断気味(^^;
読破はいつになるやら…